MICEニュース
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大阪市立美術館 ユニークベニュー活用パフォーマンス
2022年6月21日に更新し、新規公開した動画を追加しました。
文化財の活用とMICE誘致拡大に向けた実証実験
【開催レポート】
大阪観光局と大阪市立美術館は、大阪の文化芸術を代表する大阪市立美術館のユニークベニューとしてのポテンシャルの実証、および施設のPRを目的に、2021年12月20日(月)、イベント業界関係者など約50名を招待し、文化財活用事例の紹介や伝統芸能パフォーマンスを披露いたしました。
当日のユニークベニュー活用動画を下記にてご視聴ください。
大阪市立美術館 昭和初期、大阪時代の栄華を今に伝える
大阪市立美術館は、2022年秋より約2年半の大規模改修を経て、2025年春にリニューアルオープンを予定しています。改修後は文化芸術の保存・継承、創造、交流、発信の拠点として、また地域ブランドづくりの場としてユニークベニューとしての活用を計画しています。
歴史的建造物や公的空間等で特別感や地域特性を演出できる施設「ユニークベニュー」は、都市の差別化を図るツールの一つとして利活用が進んでいます。昭和11年に開館し、登録有形文化財(建造物)である大阪市立美術館は、モダニズム建築の特徴を示しながら各所に古典主義的要素が見られる近代日本の名建築です。都心にありながら、緑に囲まれた自然の豊かな天王寺公園の中にあり、その敷地は住友家から美術館の建設を目的に庭園(慶沢園)とともに大阪市に寄贈されました。実業家による土地やコレクションの寄贈など、大阪で活躍した先人が力をあわせて創り上げ、かつて「大大阪」と呼ばれた、文化・芸術が華ひらき、活気にあふれた時代の名残を今に伝えています。また、現代建築を代表するあべのハルカスや、歴史の深い四天王寺など、建築・みどり・文化・芸術が融合する天王寺エリアは、都市のポテンシャルを生かした魅力あふれる地域のひとつです。
本事業は文化庁「ウィズコロナに対応した文化資源の高付加価値化促進事業」の一環で、大阪の重要な文化資源のひとつである大阪市立美術館の上質なコンテンツとしての魅力を広く発信することを目的に、イベント業界の最前線を走るプロのプランナーやクリエイターの方々にユニークベニューとしての大阪市立美術館をご体験いただき、リニューアル後の実用化に向けて課題を検証しました。
「特別感の創造」の重要性と文化財活用の有利性
ユニークベニュー = 特別な(ユニーク)会場(べニュー)
ヨーロッパで生まれた考え方で、歴史的建造物・神社仏閣・城跡・美 術館・博物館などの独特な雰囲気を持つ会場で、会議・レセプション・イベント等を実施することにより、特別感や地域特性を演出することを目的としています。このような目的で、本来の用途とは異なるニーズに 応えて特別に貸し出される会場を「ユニークベニュー」と呼んでいます。
MICE誘致においては、会議施設、宿泊施設、アクセス、パーティ会場、地域の歴史・文化、周辺の観光地等、その地域で開催する利点と魅力を総合的にプロモーションする必要がありますが、その中でも他のエリアには無い“特別感”をアピールすることも重要です。ユニークベニューの活用はその“特別感”を創造するうえで欠かせない存在となっています。
また、文化財を会場として利用することで、主催者はイベントの魅力向上につなげることができ、参加者は文化・歴史に触れることによる知的満足を、施設は認知度・知名度の向上と、会場使用料等の収入を施設保全に充てるなど、関係者それぞれのメリットに期待ができます。
(引用)文化庁 地域文化創生本部「文化財を活用したユニークベニューハンドブック」
観光庁「ユニークベニュービギナーズガイド」
実用化に向けた検証とプロモーション
会場となった中央ホールは開放感のある二層吹き抜け構造で、内装には大理石が使われ、豪華なシャンデリアが彩る建築資材にもこだわった荘厳な雰囲気の空間です。
今回は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、セミナー方式で開催いたしました。はじめに、大阪観光局 田中嘉一MICE政策統括官より、MICE誘致におけるユニークベニューの重要性と、天王寺エリアの観光およびMICEの観点でのポテンシャルを紹介し、続いて毎日放送プロデューサー 兼 株式会社TOROMI PRODUCE代表取締役の本郷義浩氏 から、「ユニークベニューとして文化財活用の可能性」をテーマに、京都の二条城や金閣寺でのイベント開催事例と、文化財の活用と高付加価値化についてご講演いただきました。
また、レセプションやイベント会場としてのイメージとインスピレーションの提供を目的として、エンターテインメントグループ『THE FACTORY』に、狂言・太鼓・津軽三味線・尺八の伝統芸能と現代カルチャーを融合させたパワフルな演奏と圧巻のライブパフォーマンスを披露いただきました。
イベント業界プロフェッショナルの方々からのお声
ご来場者からは、「大阪市立美術館で今回のようなイベントができるとは正直思っていなかったので良い意味で期待を裏切らた」や「素敵な試み」と、様々な明るいお声をいただきました。大阪市立美術館特有の会場の魅力と強みの仮説検証とともに、イベント会場として使用するために望ましい設備の拡充や導線の確保といった課題など、リニューアルオープン後の実用化、今後新たなユニークベニューの開発に活かすべき貴重なご意見を数多くいただくことができました。
ユニークベニューから地域活性化とブランディングへ
文化的・歴史的にも有意義なユニークベニューの利活用は、文化振興・観光振興・地域活性化の好循環の創出と地域ブランドの醸成に寄与し、また大阪の魅力発信拠点として重要な役割を担うものと考えています。
2025年に大阪・関西万博を控え、今後さらに注目が高まる大阪。国内および世界中からの来阪は万博の会期前からはじまり、世界に向けた情報発信の絶好の機会を迎えると同時に、MICE市場の拡大と地域経済への波及効果にも大いに期待することができます。ユニークベニューを長期的な大阪のブランド力向上につながるコンテンツのひとつとして、これからも協力者の方々と一体となってユニークベニューの開発をすすめ、MICEの開催による地域振興と国際都市・大阪の成長を推進してまいります。
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