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2025.01.10

【ムスリム】ハラール施設って?大阪での礼拝室やハラールレストランについて

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はじめに|インバウンド需要とムスリム観光客への対応

2020年のコロナウィルス流行後、入国制限などの影響で海外からの観光客が激減した日本。 インバウンドの減少は、観光産業に大きなダメージを与えました。 日本政府観光局(JNTO)の調べによると、コロナ禍が空け入国規制が緩和された2022年には、多様な文化や宗教背景を持つ観光客が日本を訪れるようになりました。 今後も2025年大阪・関西万博の影響もうけ、インバウンド需要は加速していくとみられており、その中でもイスラム教徒(ムスリム)の観光客は重要なターゲットとされています。 ムスリムが安心して観光を楽しむためには、ハラール対応が欠かせません。 大阪は、多様な観光資源を持つ都市として、ムスリム観光客の受け入れに積極的に取り組んでいます。 本記事では、ハラールの基本知識や大阪のハラールフレンドリーな取り組みやハラール施設についてご紹介します。

ハラールとは?観光事業者が押さえるべき基本知識

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ハラールとは、アラビア語で「許されている」という意味があり、イスラム教の教義に基づく行動や摂取物の基準を指します。

ムスリムにとっては日々の生活全般に深く関わるものであり、飲食物のみならず、礼拝、さらには医薬品や化粧品、旅行計画、金融取引に至るまで多岐にわたります。このため、観光事業者がハラールに対する正しい理解を持つことは、ムスリム観光客の受け入れにおいて不可欠なのです。

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ハラールの中でも特に重要な分野が飲食物。
イスラム教の戒律では、豚肉やアルコールが禁止されており、これらを含む食品は摂取できません。
また、動物性食品については、イスラム法に基づく特定の屠殺方法で処理されている必要があります。
このため、観光事業者はメニューの設計や原材料の選定において、これらの基準を十分に考慮しなければなりません。

また、大阪観光局では2014年に「ハラール&ムスリムフレンドリーマップ」を作成し、ハラール対応の飲食店や宿泊施設を一覧化しました。この取り組みにより、ムスリム観光客は信頼できる情報をもとに安心して観光を楽しめるようになりました。 大阪のこれらの取り組みは、ムスリム観光客にとって安心して過ごせる環境を提供するだけでなく、多文化共生のモデルケースとして日本全体の観光業の発展にも大きな影響を与えるでしょう。

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ムスリム観光客に安心な旅を〜大阪で広がるムスリムフレンドリー

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大阪は、ムスリム観光客に優しい”ムスリムフレンドリーな都市”としての地位を確立しつつあります。
その背景にあるのは、ビザ緩和と交通の利便性向上による訪日観光客の増加です。
2013年、日本政府はマレーシア人向けのビザ取得を免除することを決定しました。
さらに、エアアジアXのクアラルンプール線がデイリー運航を開始し、ガルーダ・インドネシア航空のジャカルタ直行便が開設されたことで、大阪はイスラム圏からのアクセスが飛躍的に向上しました。
これにより、翌年には訪日観光客が前年同期比で約60%増加。
こうした状況を受け、大阪ではムスリム観光客に向けた環境整備が加速しているのです。
関西国際空港や大型ショッピングモールなどでは、礼拝室・祈祷室が設置され、ムスリム観光客が安心して利用できる施設が広がっています。
さらに、ハラール認証を受けたレストランも増加しており、和食をはじめ多国籍な料理を安心して楽しめる環境が整っています。
2024年5月9日には、一般社団法人ハラル・ジャパン協会が「Muslim Tourist Information Center」をオープン。

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また、大阪観光局では2014年に「ハラール&ムスリムフレンドリーマップ」を作成し、ハラール対応の飲食店や宿泊施設を一覧化しました。この取り組みにより、ムスリム観光客は信頼できる情報をもとに安心して観光を楽しめるようになりました。

大阪のこれらの取り組みは、ムスリム観光客にとって安心して過ごせる環境を提供するだけでなく、多文化共生のモデルケースとして日本全体の観光業の発展にも大きな影響を与えるでしょう。

2025年の大阪万博を契機に、さらに多様なサービスを提供することで、大阪はムスリム観光客にとって魅力的な都市としての地位を確固たるものにして行くことが期待されています。

ムスリムにとって重要なハラール認証制度とは?

ハラール認証制度とは、イスラム教の戒律に基づき、特定の製品やサービスがムスリムにとって「許されている(ハラール)」ものであることを認定する制度です。
食品だけではなく、飲料、医薬品、化粧品などの製品の他、レストランやホテル、輸送手段などのサービスにも適用されることがあります。
イスラム教で禁じられている製品やサービスが含まれていないことが明確なため、ハラール認証はムスリムに安心して利用してもらうための重要な指標となります。
大阪をはじめとする観光地では、大阪万博に向けてハラール認証施設を増やす動きが加速しており、国際的な観光市場での競争力向上が期待されています。

大阪の代表的なハラール施設

大阪に礼拝室・祈祷室、ハラールレストランがあるハラール施設の一部をご紹介します。

関西国際空港

礼拝室・祈祷室

国際線ゲートエリアの1階に男性用女性用に分けられた礼拝室・祈祷室が完備。礼拝前に体を清める「小浄施設」も併設しています。

空港内のハラールレストラン
・おらが蕎麦
・THE Udon

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なんばCITY

礼拝室・祈祷室

本館地下1階に礼拝室・祈祷室を完備しています。

ハラールレストラ
・イタリア料理「カプリチョーザ」
・有機茶寮by SOLVIVA

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海遊館「天保山マーケットプレイス」

礼拝室・祈祷室

3階に手足を清めるための洗面設備とエアコンが完備された男女別の礼拝室・祈祷室があります。

ハラールレストラン
・イスタンブールテーブル

りんくうプレミアムアウトレット

礼拝室・祈祷室

Seasideエリア1階には、礼拝前に体を清める小浄設備が完備されたプレーヤールームがあります。

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グランキューブ大阪(大阪国際会議場)

礼拝室・祈祷室

11階に礼拝室・祈祷室が完備されています。隣接する多機能トイレには洗浄設備があり、礼拝前にお清めできます。

まとめ|ムスリム観光客の受け入れが大阪観光の未来を創る

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今後さらに高まると予想されるインバウンド需要。
その中でも、2025年に開催される大阪万博は、大阪の観光需要を飛躍的に押し上げる絶好の機会となるでしょう。
特に、大阪はムスリム観光客の受け入れ態勢を積極的に強化してきた都市です。
兼ねてより礼拝施設の設置やハラール対応のレストランの増加など、ムスリム観光客が快適に過ごせる環境が整備されてきました。これらの取り組みは、大阪観光の多様性を広げるだけでなく、国際的な評価の向上にもつながるでしょう。
大阪万博を迎えるにあたり、ムスリムフレンドリーな取り組みをさらに進めることは、大阪の観光産業全体の成長につながる重要なステップです。
未来に向けた多文化共生の実現を目指し、大阪の観光がさらに発展することを期待しましょう。